多くのコメントに共通していたのが、「普段買うものだから応募しやすい」という日常消費と懸賞の近さです。
「ふだん食べる食品がキャンペーンをやっていると多めに買っちゃいます。」クロハさん
「普段から購入している商品がキャンペーンをしていると、つい買い置き分も…とのっかることが多いです(^^)お菓子や日用品…どうせ買うなら懸賞応募も兼ねて❤️ 」みかさん
食品メーカーのレシート応募やパンのシール集め、飲料の応募券など、“積み重ね型”の懸賞が生活習慣とセットになっている様子がよくわかります。
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「当たるかどうかはわからない。でも、つい応募してしまう」
懸賞キャンペーンには、そんな不思議な魅力があります。
SNS での“その場で当たる”キャンペーン、購入レシートを撮影して応募するレシート懸賞、そして昔ながらのバーコードやシールを集める応募方式まで。応募の手段が多様化したことで、懸賞との距離はぐっと近くなりました。一方で、「当たらない」「手間がかかる」という声があるのも事実です。
今回は、販促創造研究所のコミュニティサイト「毎日のお買い物“ワクワク”“モヤモヤ”研究会」の会員に、「どんな懸賞キャンペーンに応募したことがありますか?」と質問し、リアルな声を集めました。そこから見える生活者の行動・心理をまとめながら、小売現場にとってのヒントを探ります。
多くのコメントに共通していたのが、「普段買うものだから応募しやすい」という日常消費と懸賞の近さです。
「ふだん食べる食品がキャンペーンをやっていると多めに買っちゃいます。」クロハさん
「普段から購入している商品がキャンペーンをしていると、つい買い置き分も…とのっかることが多いです(^^)お菓子や日用品…どうせ買うなら懸賞応募も兼ねて❤️ 」みかさん
食品メーカーのレシート応募やパンのシール集め、飲料の応募券など、“積み重ね型”の懸賞が生活習慣とセットになっている様子がよくわかります。
応募手段の主流になりつつあるのが SNS、とりわけ X(旧 Twitter)です。
「SNS はちょっと時間があればしていますね。」おおらんさん
「懸賞ならどんなものでも応募しています。一番多いのはX応募です。毎日 30 回ぐらい応募しています。」那珂川 泰志さん
一方で、SNS アカウントを持たない、または使い慣れていない層も一定数います。
「最近は懸賞応募も X やインスタ応募が増えているので X やインスタをやっていない身としてはさみしいです。X、インスタと並行して WEB 応募も OK にしてほしいです。」ちょびんちゃんさん
応募手段のデジタル偏重は、参加をためらう人を生む可能性もあり、誰でも参加しやすい設計の重要性を示しています。
「スーパー主催のレシート懸賞はそこのスーパーの利用者しか応募しないのでいつか当たりそうだと思って応募してます。」mitchさん
「ラジオ局のプレゼントは当たりが多いです。」フトンターレさん
応募数が限定的なローカルメディアや店頭キャンペーンは、“当選確率の高さ”が魅力として認識されやすいのかもしれません。
日常の中での偶発的な出会いが応募のきっかけになっています。
「レジ横の懸賞ハガキコーナーをチェックして、めぼしいのがあれば応募しています。」ゆずこさん
「テレビラジオ、SNS、新聞雑誌、店頭など見つけた瞬間、すぐに応募できるものは忘れないうちに応募しています。」りこぴんさん
店頭のPOPやレジ横ハガキなど“瞬間的な気づき”は応募行動を後押しする大きなトリガーです。
「スマホでポチッとしてアルコール飲料が当たるとコンビニ取り替えはちょっと嬉しい。」おかーんさん
「食品のセットやペーパー類。消耗品が嬉しい。」おはぎさん
「食品メーカーのキャンペーン。当選人数も多いのでひょっとしたら当たるかなと思います。」sarisariさん
生活ですぐ使える食品・日用品・デジタルギフトなどは応募動機を高め、参加のハードルを下げます。
皆さんの発言から、最近のリアルな懸賞キャンペーン事情をうかがうことができました。
懸賞キャンペーンを効果的に活用するためにどういった点に気をつけるべきか、3つほど気づきを挙げてみたいと思います。
SNS偏重だと参加できない層が存在するため、SNS・WEB・店頭ハガキ・レシート応募など複数導線の設計が効果的です。
店舗限定、期間限定、当選人数の明示など、“当選確率の体感”を高める仕組みが応募を後押しします。
人気が高かった食品・日用品・デジタルギフトなど“リアルに嬉しい”景品は応募間口を広げやすく、日常消費との相性も抜群です。
懸賞キャンペーンは、今も多くの生活者の日常に根付いており、気軽さ・当たりやすさ・生活との相性の3軸が応募行動に大きく影響しています。
小売店舗でできる取り組みとして、「その場で応募できる導線」、「生活者が“自分ごと化”しやすい景品」、「店舗限定の特別感」などを組み合わせることで、より応募したくなるキャンペーンに設計できます。
今回は応募する側の視点から懸賞キャンペーンの実態を探ってみました。
懸賞キャンペーンを企画する側の目的には、その場で商品を買ってもらう動機づけだけでなく、商品の認知拡大やなかなか知られていない商品の価値を周知し共感度を高めるきっかけづくりの側面があります。
これらの目的達成のために、キャンペーン全体の世界観づくりとそれを表現するためのタイトルや景品に工夫を凝らすのと同時に、前述した応募したくなるしかけと組み合わせてみてはいかがでしょうか。自社にも生活者にもメリットが大きい懸賞キャンペーンを企画するヒントにしていただけたら幸いです。