<お買い物ワクワクモヤモヤ研究会トピックより>白黒ポテチとゴミ袋——ナフサ不足、生活者の実感マップ
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- スコープ販促創造研究所™
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ナフサ不足のニュースが流れて数週間。
販促創研のコミュニティサイト「毎日のお買い物 ワクワクモヤモヤ研究会」で「ナフサ不足に関して実感した場面や工夫」について質問したところ、数日で50件以上のコメントが寄せられました。読み込んでみると、現在の体感は人によってまったく異なる違っていること、そして生活者の関心が分散していることが見えてきました。
「全く感じない派」と「もう来てる派」——温度差の大きさ
まず注目したいのは、人によって感じ方の温度差が大きい点です。
「特に感じていません」(おはぎさん)
といった「実感なし」のコメントが全体の約3割を占める一方で、
「地元で有名なケーキ屋さんお休みしますからいきなりの閉店 ナフサ不足の影響でしょうか」(ミックさん)
「近所の塗装屋さんが店を閉めていた」(みほさん)
「義息子が塗装屋ですがシンナーや塗料が入荷しないみたいですね」(jun.ikutaさん)
と、すでに身近な店への影響を実感している人も存在。
「身の回りはナフサ由来の物ばかり、これから生活に支障がでるのではと心配です」(まっちゃん5さん)
と身近な影響から今後を憂慮する声も見られます。
同じ国の同じ時期に起きている現象でありながら、住んでいる地域や関わる業種によって、見えている景色がまるで違う
——この「実感の格差」は、サプライチェーン由来の現象が生活者の目に届くまでに、時間差と濃淡があることを物語っています。
「白黒パッケージ」という新しい風物詩
象徴的なアイコンとして急浮上したのが、お菓子の白黒パッケージです。
インク数を減らした簡素なデザインへの変更については、ニュースリリースだけでなくSNSでも話題になり、コメントでも25.5%を占めました。

<私もちょうどお店で見かけたのでゲットしてきました>
「白黒の新鮮味があり、素敵です」(のんちゃんさん)
のように変更を新鮮に受け止める声がある一方、
「白黒のパッケージは美味しそうに見えませんね」(タラリラリンチャムさん)
という正直な感想からは、日ごろ目にしていた色鮮やかなパッケージがきちんと「シズル感」として機能していたことを再認識させられます。
そして
「プリンや豆腐の容器がないと聞きました。豆腐が容器のために高くなるかも…」
「逆手にとって、ド〇キホーテはそういう商品を売り出しているとか」(どちらのコメントもクロハさん)
といった、今後の値上げへの予測や、商機を見出す動きを観察しているコメントも見られました。
その中で、たんぼマスターさんの
「楽しみにしてさえいる現在、こんな余裕もきっと今だけに違いないコワさはひしひしと」
という一言は、現状を一歩引いて捉える視点として印象に残ります。
事態が深刻化したとき、白黒パッケージへの語られ方は変わっていくのかもしれません。
ゴミ袋、突如として話題の主役に
今回、もっとも多く言及されたのがゴミ袋でした。その割合は35.3%。生活者の関心の高さがうかがえます。
「市指定のごみ袋が売ってません。。。」(ゆうちゃんさん)
「ゴミ袋の販売が、ひと家族で1個の制限がありました」(sirotibiさん)
「市限定の有料のゴミ袋売り場に買いだめはお控えくださいと書いてありました」(アールグレイさん)
筆者自身は指定ゴミ袋のない地域に居住しているため気づきにくかったのですが、生活インフラとしてのゴミ袋の存在感の大きさが浮き彫りになりました。
特筆すべきは、自治体の動きの早さです。
「市のメールで市の指定のごみ袋でなくても出していいと知らせがありました。」(ヒータンさん)
「町内の回覧板が回ってきて指定のごみ袋がない時の対応の連絡でした」(エリンギたけのこさん)
など、ルール緩和の情報伝達がすでに動き始めている様子。
ここで興味深いのが、jonquilleさんの分析です。
「『ゴミ袋がない』と喧伝されるような形で報道され、1〜2週間経った頃から、自治体指定のゴミ袋ではないエリアなのにドラストや100均でゴミ袋のコーナーがスカスカになっています。出荷は普通の量されているそうなので、需要が何倍にもなっているんですね」。
物理的な供給不足だけでなく、報道をきっかけとした需要の急増が品薄を加速させている構図が見えてきます。
「世界の情勢と身近な日常がつながる」瞬間
納豆さんの下記のコメントはどうでしょうか。
「いつもお世話になっている日用品のパッケージが、以前より少し薄くなったり、印刷がシンプルになったりしている気がしていました。ナフサ不足というニュースを耳にして、点と点がつながった気分です」
ナフサ不足は大勢が心配していたガソリン不足というようなわかりやすい大きな問題としてよりも、もっと日常の細部にこまごまと影響するものだということに気づかされます。
「トレーが一回り小さくなった」(asitaさん)、
「直売所で色付きの農園のシールも貼ってあったのが先々週くらいからラベルシールだけになってました」(いちりんさん)、
「サッカー台からセロテープとガムテープ、ビニール紐が撤去されてました」(なおくんさん)、
「スポーツクラブのアルコール消毒がなくなった」(kkさん)。
一つ一つは「あれ?」で済む小さな違和感が、こうして並べてみると、ナフサ不足というニュースと結びつき、輪郭を持ち始めます。
そして、今回の集計でもうひとつ見逃せないのが、約3割の生活者がすでに何らかの行動変化を語っているという事実です。
「ご飯を冷凍するラップをやめて、晒しにしようかと考え中です」(ささささん)、
「キエーロで堆肥、コンポストにするかなぁ」(あおささん)、
「スーパーで精肉等を買った時の食品トレーを、スーパーのリサイクルボックスに持って行くことにしました」(jonquilleさん)、
「食品包装資材であるストーンシートの容器の製品を選んでいます」(ALLENさん)
といった具体的な行動から、
「買いだめは控えます」(るうびいさん)、
「個人スーパーや八百屋さんからビニール小袋貰っても少なめにしてもらってます。知り合いだから、ナフサ不足で困らせたく無いから」(おかーんさん)
といった静かな配慮まで、その内容は多様です。
「ないない!と騒ぐよりも、使えるものがあれば使えば良い。資源は少ないけれど、それを補うだけの知識も技術も持っていると思う」(ひなた婆さん)
という冷静な視点も、こうした行動派の土壌の一部と言えるかもしれません。
ナフサ不足を実感している生活者の現在地
51件のコメントを俯瞰すると、生活者の反応はおおよそ次の5象限に分かれました。
生活者の関心は一点集中ではなく、複数の象徴に分散して同時並行で進んでいます。ゴミ袋という「無くなる不安」、白黒パッケージという「変わった観察」、そして自らの「行動変化」
——マインドの質が異なる3つの軸が、同じ温度で語られているのが今の段階です。
販促・小売・メーカーの視点から見ると、この時期に注目すべき示唆がいくつかあります。
1つ目は、簡素化を「やむを得ず」ではなく「共有できる物語」として提示できるタイミングは、今この瞬間に限られるかもしれないということ。たんぼマスターさんが指摘するように、白黒を「楽しめる余裕」は事態の推移次第で短期間で変わり得ます。
2つ目は、約3割の生活者がすでに行動に移しているという土壌の存在です。
「過剰な包装はなくてもいい、むしろこの方が環境に優しいかも」(納豆さん)
という受容の声は、エコ訴求やパッケージ簡素化に対する追い風が想像以上に育っていることを示しています。
3つ目は、「ゴミ袋」のような生活インフラの揺らぎがもたらす不安に対し、行政や事業者の早期コミュニケーションが安心材料として機能すること。指定外OKの通知やルール緩和は、生活者の信頼維持に直結する好例として観察できます。
「ワクワクモヤモヤ研究会」では、生活者の小さな実感の蓄積を引き続き追いかけていきます。次にこの話題を振り返るとき、コメントの色合いはどう変わっているでしょうか。白黒のポテチを「素敵」と語れる今を記録しておくこと自体に、きっと意味があるはずです。
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