自転車ヘルメットの着用努力義務化から1年が経過する今、努力義務化への認知は9割を超え、詳細理解も倍増しましたが、着用率は常に着用している人で11%と低迷。多くが緩やかな法規定の下で着用をためらっていることがわかります。
自転車ヘルメットの普及を進めるためには規則の強化が一番早いですが、「86年ショック」と呼ばれた1986年の原付バイクのヘルメット義務化と同じように大きな反発は起こるでしょう。ただ、8割以上の方が事故防止の点からもヘルメットの必要性は感じており、自身の命を守る重要なアイテムであることに変わりはありません。商品の売り手や作り手側は改めて生活者の気持ちに沿ったヘルメットそのもの使いやすさの革新と着用へのためらいを解消するための施策が必要なのではないでしょうか。
また、注目すべきは、生活者の2~3割が買い物行動を変更、ネットスーパーや他の交通手段へシフトしていることです。これは、安全意識の高まりや、逆にヘルメットを被りたくないという気持ちが買い物選択に直接影響を与えていることを表しているといえ、買い物スタイルの変化に対応した店舗の取り組みも必要と考えます。
例えば、
- 「オンライン注文後の店舗受け取りサービス(BOPIS)」の拡充であれば、ヘルメット持参による不便さを軽減するだけでなく、新型コロナウイルス感染症の影響で増加した非接触型サービスの需要にも応えることができます。さらには、自転車用のドライブスルー窓口の設置や、窓口での受け取り時にヘルメット着用者を対象としたポイントなどのインセンティブ提供があれば、着用促進にも繋がります。また、ヘルメット着用努力義務化を機に別の移動手段へシフトしたお客様にとっても、BOPISのサービスは自転車同様、手軽でかつ安全な買い物機会を提供できます。
- ヘルメットそのものについては、IoT技術を活用し、温度や湿度を調節し髪型が崩れにくく快適な環境が作れる“スマートヘルメット”があれば、着用による悩みを大きく軽減できると思います。実現できれば自転車ヘルメットの着用を促進する大きな動機付けとなり、新たな市場創出にも繋がると思います(まだまだ夢物語なのかもしれませんが…)。
この調査が皆さまの企画のヒントに少しでもお役立ちできたら幸いです。
■調査方法:ウェブ調査
■調査エリア:全国
■調査対象者:日々の食料品の買い物で自転車を使っている20歳~79歳既婚女性 *子ども有無の条件無し
■サンプル数: 本調査 合計300サンプル (20代~70代まで各50名)
■調査期間:2024年3月12日(火)~13日(水)
■株式会社ディーアンドエムの登録会員を対象に調査を実施
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