広告コピーで使われる一人称『わたし』。 もし、これを『あたし』に変えたら、読後感はどのように変化するでしょうか?たった1文字の違いが持つ言葉の力を探るべく、語感デザイン研究チームで架空のコピーを作成し、「わたし」と「あたし」の読後感の違いを検証しました。(図1)
「わたし」と「あたし」広告コピーの読後感は変わる?
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「ポケットノート」はその名の通り、 ちょっとした時間に読み切れるコンパクトなコラムです。語感デザイン研究チームのメンバーが身の回りの言葉やコピー事例を取り上げながら、その「読後感」や「語拡設計」にスポットを当て、カジュアルに論じていきます。
「わたし」と「あたし」広告コピーの読後感は変わる?
【架空の進学塾|生徒募集ポスターコピー】
図1
図1の左のポスターは「わたし」を使ったコピー、右のポスターは「あたし」に変換したコピーです。
いかがでしょうか。
「わたし」(図1:左)の方は、教科書のような正しくまっさらな印象で、多くの人に正攻法で伝わります。この印象が教育の”正解を探す”行動をイメージさせ、進学塾への信頼感と安心感を生みます。受験という大事なタイミングでの不安の拠り所として、ターゲットの心をつかむ可能性があります。
一方、「あたし」(図1:右)の方は、「個」を感じさせます。個人の想いとして主張することで、強い意志に賛同する人が集まる印象です。「自分自身」と向き合う決意をより強く感じさせ、ターゲットの自分事化を促進し、認知獲得につながる可能性があります。
このようにたった1文字が読後感に違いを生み、この違いを戦略的に活用して行動・態度変容を促す仕掛けこそが我々が提唱する「語感デザイン」の読後感設計(図2)です。
図2
皆さんも、広告コピーに使われている『わたし』を一度頭の中で『あたし』に置き換えてみてください。 そのとき生じた違和感や変化に「なぜ」という問いを立ててみることで、普段何気なく目にしているコピーの巧みさが、より鮮明に見えてくるでしょう。


